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1950年頃、天才チューリングは、今我々が考えているのと同じ疑問を持った。「動物の体の構造や模様は、どうやってできるのだろうか?卵にはそんな空間的パターンはないのに、、、、」
自然の観察や化学の実験が趣味だったチューリングは、いろいろな動植物を観察し、ある特徴に気づく。模様や体の構造の多くは「等間隔の繰り返しパターン」である、と。数学や物理で「等間隔の繰り返しパターン」といったら、それはすなわち「波」の事である。
「波」と「生物の形」。
通常なら、そんなものが結びつくとは思わないのが、まともな大人ってもんです。でも、チューリングは天才だったので思いついてしまった。しかも、どうやって波ができるかという原理のおまけ付きで。
波紋の原理を数学で解明
チューリングは、生物の中でできる波は化学反応がベースになるはず、と予想した。下図が彼の考えた、化学反応の組み合わせによる波形成の原理。登場するのは、わずか2種類の化学物質、活性化因子と抑制因子と呼ばれる仮想上の物質である。

Turing波形成の原理(活性化因子、抑制因子のネーミングは、後にマインハルトによる)
活性化因子は、自分自身の合成を促進し、さらに抑制因子の合成も促進する。一方、抑制因子は、活性化因子の合成を止める。このネットワークを、先ほどと同じように2つの部分に分けると、下図のようになる。左の回路は、活性化と抑制の組み合わせなので、ネガティブフィードバック、右は自分自身による活性化なのでポジティブフィードバック、である。

通常の化学反応を想定しているので、反応そのものはごく近傍でしか起きないが、その代わり、各因子(分子)が拡散することで、周囲に影響が伝わる。ここで、活性化因子の拡散速度が小さく、抑制因子の拡散速度が大きい、とするとどうだろうか?そのとおり。左のネガティブフィードバック回路は遠距離で働き、右のポジティブフィードバック回路は近距離で、という組み合わせになり、色素細胞の制御構造ネットワークと全く同じになるのです。制御構造が同じなのだから当然、起きる現象も、もちろん同じはず。
チューリングのモデルには、細胞の生死とか、伝わる距離の異なる相互作用とか、複雑な物が一切ないので、物理現象として記述しやすい。例えば、チューリングのオリジナルのモデル式は以下のようになっている。
Turingのオリジナルの波を作る方程式
チューリングは、この微分方程式を解き、パラメータの値を適当に定めれば、波のパターンが生じることを証明した。
(元記事: memerelics (railroad10111から))